ラルジャン
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映画の通念をはるかに超えている |
‘86年にシネヴィヴァン六本木の単館ロードで観ましたが、終わった直後、観客が少しどよめいていたような記憶があります。原作がトルストイと知っていましたが、終わってからドストエフスキーの記憶違いだったかなと思ったほど、違和感を覚えました。それもそのはずでした。原作小説の後半の、主人公が信仰に目覚め改心する話が、映画では完全にカットされているのです。
それまで物語の流れに身を委ねる観客として観ていたものが、このような終わり方で、突然、実際に起きた出来事の中にとり残されたような落ち着かない気持ちになりました。観客が無意識的に期待する“予定調和”の裏をかくというレベルを超えて、映画芸術そのものに対するアンチテーゼを示しています。80歳を超えてこの作品を作ったブレッソン監督は、映画の通念をはるかに超えたところにいたのだと思います。
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命<金<現実 |
この映画を見る前にトルストイの「偽りの利札」を読んでいた為、精神的に絶えられるか不安であった。やはり見るべきでは無かった。イヴォンは誠実そのもであり、無害であり無知であった。現実は有害な人間を快く迎え入れ、無害な人間に制裁を加える。不条理を正当化するのは立派な逃げ道だが、この映画に逃げ道は無い。イヴォンはモンスターではない。人殺しでバランスを保ち、現実で生きるしたたかさを学んだのだ。モンスターなのは老女の父親がピアノで奏でる音色に潜んでいるのではないかと考える。偏った一方的な絶対愛に強い不安感を覚えたからだ。
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冷徹な詩情 |
いっさいの抒情を拒絶したような映像が,かえって詩情を生みだしているような本作品の主人公は,「お金」である。カサカサと音をたてる,しわくちゃの紙幣。銀行からおろされたばかりの,ピンとした札束。近代人の最後の共同体とも評されるお金だが,それがどんな風に人びとの心を壊し,息の根をとめていくのか。その諸相が描かれている。
お金にとっては,すこしきびしすぎるような映画だ。インパクトは絶大。短いので,眠くなる心配もありません。
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とにかく必見!!!!!!!!!!!!!!!! |
ブレッソンと言えば、シネフィル御用達の小難しい映画作家と
思われがちですが、そんなことを一切忘れて本作をご覧になら
れてみて下さい。あなた個人の「映画史」を書き換える必要に
迫られる筈。また、このDVD自体のクオリティも非常に素晴
らしい(音質と画質は最高)。今すぐ購入されて下さい。
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リアルな映画体験をさせてくれる作品。 |
これほど自然でリアルな映画体験をさせてくれる作品を
私は知りません。
俳優は全て素人だけを使い、BGMやSEは一切使用せず、
とにかくドキュメントタッチに徹したシャープな映画です。
札の音から犬の息づかいまで、全ての音が印象深く、
「音の巨匠」と言われるブレッソンの面目躍如たる作品。
カンヌのグランプリを逃したのは、
過小評価されすぎだと思います。


