歴史上のクラシック音楽作曲家について紹介・評論します。

バッハ小伝

バッハ小伝 人気ランキング : 62,982位
定価 : ¥ 945
販売元 : 白水社
発売日 : 2003-08
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : ¥ 945
最初のバッハ伝

 1802年に書かれた最初のバッハ伝。白水社『バッハ叢書』10巻に収められた「ヨーハン・ゼバスティアン・バッハの生涯、芸術、および芸術作品について。真の音楽芸術の愛国的賛美者のために」の新書化。
 バッハの生きた直後の時代に書かれており、資料的な価値が高い。バッハが当時、どのように評価されていたのか、よくわかる。特に演奏者・指導者としての評価が高く、現代とのずれが興味深い。
 巻末の年表がものすごく詳細。
 1802年に書かれたとは思えないほど、しっかりした内容であり、驚かされた。

バッハを現代に伝える入門書

バッハの長男フリーデマンや次男エマヌエルとも親交があった著者フォルケルによる、歴史上最初のバッハ伝がこの本。書かれているスペクトルは伝記的な記述、演奏家/教師/人間としてのそれぞれのバッハの顔、音楽、芸術に対する精神と広範に渡り、無味乾燥な年代史に終わることなく当時でないと知り得なかったであろうバッハの様々な側面を伝えてくれる。モーツァルト等と違い私的な書簡等がほとんど残されていないバッハでは、こうした資料は人となりを知る貴重な手がかりだ。
個人的に特に興味深かったのは「演奏家」としてのバッハの記述。現在では作曲としてのイメージが強すぎて演奏家としてのバッハ像はあまり知られていないが、当時はむしろ「あらゆるクラヴィーアとオルガンの王」たる素晴らしい興演奏家でもあったこと、また彼の演奏技術や演奏理論がいかに理にかなった、現代的で、かつピアノやオルガンといった鍵盤楽器のみならずバイオリンやリュートといった他の楽器にも通ずるものであったかなどがわかる。
作者があまりにバッハに心酔しているせいだろうか、ときたまそれが思い違いの記述も生んでいるが、そういった箇所は訳注で正されているので実に安心して読める。音楽好きやすべての楽器奏者にとって、この本は現代には伝わっていないバッハの様々な側面を伺い知るための格好の入門書だろう。

バッハの小宇宙

フォルケルによるこの本は「小伝」というタイトルが付いているが、実際には伝記的な部分はわずかで、バッハの音楽そのものについても多くのページがさかれている。バッハに近い時代に書かれたという価値が高いが、本文にまして巻末の詳細な年表が役に立ちそうだ。

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