歴史上のクラシック音楽作曲家について紹介・評論します。

風のしるし-左手のためのピアノ作品集

風のしるし-左手のためのピアノ作品集 人気ランキング : 6,149位
定価 : ¥ 2,940
販売元 : エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
発売日 : 2004-12-01
発送可能時期 : 通常3日間以内に発送
価格 : ¥ 2,646
ブラームス編のバッハ:シャコンヌ

 館野泉さんの演奏する左手のための曲集です。ブラームス編のバッハ:シャコンヌをお目当てにこのCDを手に入れました。ブゾーニ編のような重厚さや華やかさはありませんが、聴き応えがありました。
 華やかなピアノの世界がある一方で、左手だけの演奏ならではの心を打つ音楽があることに感銘を受けました。

感動の向こう側へ

〜館野さんが倒れたと言う話を聴いて、ああもう聴けないのかなと思っていたら何と左手一本で復帰!実は左手だけのための曲は数多くあるのですが、スクリアビンを選ぶあたりはいかにも館野さんらしいです。片手だけのピアノがここまで雄弁になるのですから、感動などと言う月並みな賛辞は贈りますまい。これから、この向こう側の世界をどう歩いてゆくのか、その〜〜先が楽しみになる一枚です。〜

繰り返し聴きたくなるアルバム

〜聴く前は一抹の不安があった。油の乗り切った時期の舘野さんの演奏と同列に扱えるアルバムなのかな、と。聴いてみると、それは全くの杞憂だった。ほとばしるような華麗さこそないものの、音の一つ一つが慎重に磨き上げられている。左手だけ、という制限がかえって幸いして、ある意味もっとも舘野さんらしいアルバムになったのかもしれない。選曲はやや聴く人〜〜を選ぶ感もあるけど、「病に倒れたピアニストが左手で復活」という物語がついている分親しみやすくはなるだろう。内容の質の高さはそんな物語を特に必要とはしていないけど。
バッハ/ブラームスのシャコンヌは、ライナーに舘野さんが書いている通り、演奏家よりは作曲家に支持されるタイプの曲である。ブラームスはここで、バッハの原曲の音をひとつずつた〜〜どりながら、曲を再構成する仕事に取り組んでいる。舘野さんはそれに共感しながら、その跡を丁寧にたどっている。
スクリャービンは、演奏・作曲技巧的には面白い曲だが、演奏はいまひとつスムーズに聞こえてこない。ちょっと作曲者が力みすぎてるかな、と思う。まあそのへんがスクリャービンらしいとも言えるが。
間宮さんの新曲で、急に舘野さんは雄弁に〜〜なる。音の密度はそれほど高くないのだけど、その分自由に音を操っていく。耳に残る旋律はあまりなくひたすら音が流れていくのだが、余韻が心の底に響くように残る。なるほどこれが「風のしるし」ということか。
ブリッジは、少し重めの間宮作品のあとで格好の口直し。
舘野さんがノルドグレンに委嘱した作品が収められてないのは少し残念だった。スクリャ〜〜ービンよりそちらが聴きたかった、というのは言わずもがなの憎まれ口かな。〜

本当に左手だけと知り、驚愕・感動しました。

失礼ながら私は60年代以降のロック・ソウル等の音楽を聴き続けてきて、最近ようやくクラシック等の音楽に耳を向けた人間ですから、良い・悪いの判断は非常に主観的で感覚的なものですが、広島の音楽店にこのCDが並べられており、気になって購入し、現在聴き終えたところです。正直、感嘆としか言えない自分自身に驚愕を覚えています。
人間は五体満足に生まれてくるだけでも「ありがたい」事ですが、舘野氏のようにアーティストとして大成功されながら、病で右手の機能が不自由になられていて、普通だったら致命的な打撃を心に受けつつ病に負けていく方々が多い中、このCDで舘野氏が弾かれているピアノの音、旋律には右手の不自由を全く感じさせないどころか、それ以上に「心に沁みる何か崇高な音」を感じました。人間は生きている限り、あるいは生かされている限り、人様に対して何かを与えていく事が必要だと、良く松原泰道先生等の書物から学習しましたが、それを正に舘野氏は実践し、更に我々に感動を与えてくれる…本当に素晴らしい事と思いました。

信じられません

 これが左手だけで弾かれているなんて、とても信じられません。ことにバッハはすごい。
 倒れられる前より、さらに音楽の世界を広げられたと思います。
 訳もなく、涙が湧いてきて、そして、力が湧きあがる、そんな演奏です。

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