ワーグナー:楽劇《ラインの黄金》
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シュトゥットガルトの指環の最高傑作 |
あまりにも意表を付く演出の連続で賛否両論真っ二つに割れたシュトゥットガルトの指環4部作では、この序夜「ラインの黄金」が最も完成度が高いといえるかもしれない。なんといっても、出だしから演出が凄すぎる。いきなりキャストの大半が、直立不動で登場するという破天荒ぶり。この始まりからしてただならぬ雰囲気が充満しているのだが、この後に次々と起こる演出は半端じゃない奇抜さだが、実は「意味」や「暗示」という点では相当に分かりやすく行われていることに好感が持てる。たとえば、まだ登場する時間でないところで、なぜかローゲがすでにフライアの脇で「りんご」の皮むきをやっているのだ(笑)。しかも、その皮がポロッと落ちる瞬間の演出は、指環のストーリーを知っている人なら、ニンマリすることだろう。ヴァルハラ入城のシーンも度肝を抜くような演出が待っているので、見てない人はお楽しみに。ちなみにこれら素晴らしすぎる演出はヨアヒム・シュレーマーによるものである。
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歌手たちの熱唱が光る新しい『指輪』第一作 |
奇抜な演出と、四部作をそれぞれ異なる演出と歌手で演じさせるという試みが賛否両論を巻き起こしたシュトゥットガルトの『指輪』の記録です。私も、特に神話世界を題材にしたこのような作品が必要以上に現代的にアレンジされてしまうことなどには、どちらかというと抵抗を感じるタイプの愛好家なのですが、このディスクで観られる演出に関しては、自分でも意外なほど抵抗を感じませんでした。その理由のひとつは、オーケストラと歌手たちが、演技や演出の奇抜さに気を取られすぎず、着実に音楽の面で各自の実力を発揮しているからだと思います。初めて『指輪』の映像を楽しんでみようとする人には、やはりレヴァイン盤やブーレーズ盤などの、よりオーソドックスな映像をお奨めしますが、すでにある程度この作品を知っている人には、ぜひこの盤もじっくりと味わってみてほしいと思います。


