ワーグナー:楽劇《ワルキューレ》
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演出の奇抜さには、賛否両論あるでしょうが… |
奇抜な演出と、四部作をそれぞれ異なる演出と歌手で演じさせるという試みが賛否両論を巻き起こしたシュトゥットガルトの『指輪』の記録です。実は私も、特に神話世界を題材にしたこのような作品が必要以上に現代的にアレンジされてしまうことなどには、どちらかというと抵抗を感じるタイプの愛好家です。今回順を追って発売された『指輪』四部作の中でも、この『ワルキューレ』の演出は最も論争の余地の多くなりそうなものです。ジャケットの写真にもなっている、剣を光の図形で表現する試みなどは、それなりに美しい効果をあげていますが、ワルキューレの衣装や、第二幕の最後の場面にある劇中人形劇のような演出などは、どうもあまり見栄えのするものではありません。それに対して、歌手たちの熱演による心理描写には、なかなか見るべき点も多く、たとえばやはり第二幕の最終場面でのヴォータンの演技をよく観れば、彼が自分の手で殺さざるを得なくなってしまったジークムントを、実はどんなに深く愛していたかということがよくわかります。このディスク単独なら、星3つくらいになるかもしれませんが、四部作の他の三作品のディスクと合わせて総合的に評価するなら、星4つはつけてよいように思われます。

