トリスタンとイゾルデ*楽劇
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二人の主役の魅力が光る上演 |
現在、国内盤と日本でも入手しやすい輸入盤とを合わせると数種類が手に入るこの作品のDVDのうち、私がいちばんに推したいのがこの盤です。はっきり言って、NHKホールの舞台装置はかなり貧弱で安っぽいものですが、他の盤のように抽象化されておらず、原作の物語の場面設定にかなり忠実であろうとする点は好感が持てます。そして何より、主役のルネ・コロとギネス・ジョーンズのコンビの歌唱と演技の美しさがこの盤のいちばんの魅力です。コロは、この作品の他のCDやDVDでもそれぞれに見事な演技と歌唱を聴かせてくれますが、イゾルデ役のジョーンズが、これほどこの役にぴったりの歌手であるとは思っていませんでした。もともと、私はジョーンズのことはかなり高く評価していたのですが、その薄幸そうな外見、女性らしいしなやかな動作、あまり高らかに声を張り上げすぎない歌い方など、この哀しい物語の主人公にふさわしい素質を持った貴重な存在だといえましょう。なお、このディスクには、まったく同じ内容でケースの形だけが異なる二種類の商品があり、両方が交互に品切れになったりしている状況のようですので、価格や出荷のタイミングを考慮してどちらかを選んでください。

