大作曲家11人の和声法―モンテヴェルディからドビュッシーまで (上巻)
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内容に対して値段が高すぎる |
実際の芸術作品から直接和声を学ぶという姿勢は正解である。他の多くの書籍がひたすら和声モデルの実施に固執し、実際の作品をおろそかにしているのと異なり、本書のアプローチには賛成である。ただし、解説があまりにも少なく、これでは読者はどうやって勉強していけばいいのかわからないのではないだろうか。ひととおり和声の学習が終わっている者が対象なら話は別だが、その場合はもうワンランク上の解説を試みてほしいと思う。特にこの上巻はモンテヴェルディから始まっているが、彼の作品は機能和声から成り立っているわけではないので、コード進行や機能表示などは何の意味もない。そもそもモンテヴェルディの時代にはいわゆる和声学などはまだ存在しない。よって、近代的な和声理論によるアプローチは意味をなさない。和声ではなく対位法から説明するべきである。この傾向は高度に和声が大成されたバッハなどにもあてはまる。そもそも転回形は言うに及ばず、和音という概念すらない時代の音楽にコードネームや機能表示をして何の役に立つというのだろう。
それから、エクササイズと称して五線譜が大量に印刷されているが、いまどき五線譜などワープロでもあれば誰でも印刷できる。市販の五線譜を購入しても安価である。この本は非常に高価だが、少しの解説と誰でも入手できる楽譜とかなりの量の五線譜から成っており、どう考えても高すぎる。値段に見合う価値はない。
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同様の本が少ないので価値がある |
活きた和声とその歴史が学べる名著だ。和音に関してクラシック系・ポピュラー系の複数の表記が付いているのも良く、いろいろな分野の人が楽しめるだろう。参考譜例が多く、特に古い時代のものを取り上げている本が少ないことから価値がある。
難点は、譜例が多いが説明が少ないこと。楽譜がすらすら読める人は良いが、楽器を介さないと読めない人は辛いだろう。説明の少なさも、「読んで判れ」という感じなので勉強にはなるが辛い。説明が少ないのに例題が多いというのはちょっと困り物だ。
あと、本の作り(装丁)が簡装なのもマイナスポイント(だけど値段は高い!)。この値段なら、雑誌みたいな作りでなくちゃんとした装丁にして欲しかった。もちろん本は中身が重要だが、良い本が傷みやすいのは困るので。


