歴史上のクラシック音楽作曲家について紹介・評論します。

マーラー:交響曲全集

マーラー:交響曲全集 人気ランキング : 1,254位
定価 : ¥ 11,000
販売元 : 東芝EMI
発売日 : 2005-07-21
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : ¥ 9,899
満足しています

クーベリックかシノーポリかベルティーニか迷いました。アバドとシノーポリは1番をライブで聴いたことがあります。アバドは軽く明るいイメージ。シノーポリは繊細で緻密に創りあげているといった印象を持っていました。自分としては、シノーポリのほうが好みなので、ライブでは聴いたことのないベルティーニを購入しました。弦楽器は低弦の重厚さとVn、Vaの艶やかさ、弦セクションのバランスの素晴らしさを感じさせられます。木管は芯のあるやわらかい音といった感じで安定感があると思います。金管楽器は抜けがいまひとつといった感じですが、打楽器を含めた総合的な出来栄えには大変満足しています。

最高のマーラー交響曲全集

 この全集は、古今東西あらゆる演奏、あらゆる全集の中でも一際優れた全集である。かつてはワルター、バーンスタインといったマーラー指揮者がいたが、ベルティーニのは彼らに比べて実に端正・そしてさわやかで瑞々しい。バーンスタイン的な深いスコアの読みをワルター的に演奏したというと誤解があるかもしれないが、マーラーのおどろおどろしさだとか情念の嵐も、確実に音として表現しながらも、そこには常に涼しげで耽美な表情があるのだ。音は練られ、一つとして曖昧な部分はない。繊細なまでのダイナミクス。とにもかくにも美しいマーラーだ。
 特に2番、8番、9番、大地の歌は優れている。2番の復活は第三楽章冒頭で何かの楽器が落ちる雑音は入っているのをのぞけば、表現は正しくユダヤ的なマーラーで、例の見通しのよさ、明晰なまでの美しさに彩られた絶品。フィナーレのコーダ。これだけオルガンの音が神々しく響いた例はない。
 8番の巨大な演奏も特筆もの!オーケストラ、合唱の全てが勇気的に絡みつつも、全てが見通しよく、マーラーの美しさの全てを堪能できる。
 9番は一楽章がワルター/ウィーン以来の名演。耽美的でありながら、死の恐怖との諦観を極めた闘いが描かれる。
 大地の歌は、ソリストも含め、力演。力演というのは上記二曲に比べてかなり迫真的な演奏になっているからだ。
 もちろん、他の曲も素晴らしい。知的で明晰であり、肩の力は抜けきっていながら、意味深く、繊細なダイナミクスを築く。その演奏はまさにマーラーのスタンダードである。
 リマスタリングの状態は良い。先に発売された1〜5番のボックス
よりも良いという評判。私にも異存はないが、後半の曲では、高域と低域を持ち上げたリマスタリングがやや恣意的かもしれない。以前は目立たなかったノイズが目立つ箇所が一部ながらある(8番)。それでも演奏の魅力を損なうものではない。
 このリマスタリングの担当者はアナログ愛好家やフルトヴェングラー愛好家には非常に悪名高いが、今回は好意的な評価を得られているようだ。今後は、さらに、信頼できる音質を安く、そして随時提供する姿勢をEMIに求めたい。

黄金の中庸

 常に明るくはっきりとした演奏。暗かったり、重かったり、激しかったりした演奏にあきあきというときに良いのでは。曲の持つ本来の姿が見えてきます。かといって乾燥した演奏ではなく、音楽に対する思いが感じられる演奏です。マーラーはとっつきにくいと言う方、初心者にもおすすめです。

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