ブラームス : ピアノ協奏曲 第2番変ロ長調作品83
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完璧なピアノに脱帽。 |
この曲のピアノパートは非常に難しいことで有名です。ブラームス自身が鍵盤上で確認しないで作曲した箇所が多いと思われ、物理的に極めて演奏困難なフレーズが頻出します。これを適当にごまかして弾くピアニストが多かったのですが、ツィメルマンは微塵の難しさも感じさせず楽譜のとおりに完璧に弾いてしまいます。普通のピアニストでは音がばらけたり不揃いになるような箇所でも、きっちり打鍵してきます。美しい旋律に溢れた曲なので、完璧に弾ききることよりもピアノを歌わせることに主力を注ぐピアニストが多いのです。しかし、どうしても曖昧な印象になりますので、それを嫌ったのでしょう。
実際、ツィメルマンは交響的構築を重視したアプローチを取っており、積み重なった和音は強烈な勢いで叩き込んできます。その一方で、余計な響きを残さないように意識的に音を切る場面も多くしています。これにより、重厚な響きを出しつつも全体としては端正な雰囲気が維持され、節度を持ったロマンティシズムが表現されるのです。これはブラームスの演奏では重要なポイントです。まだ若かったツィメルマンがここまで突き詰めた演奏をしていることに対しては、脱帽するしかありません。
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完成度の高いブラームス! |
ツィマーマンはショパンコンクール優勝しただけあり、
テクニック的には並外れてレベルの高いピアニストです。
このアルバムでもそうした彼の完全なるテクニックは
この曲の魅力を極限までに引き立てていると言えるでしょう。
またバーンスタインは濃い表現の持ち主で、それが曲の出来を決める
諸刃の刃とも言えますが、このアルバムではツィマーマンの透明感の高い
ピアノと、ウィーンフィルのまろやかな音色とあいまって非常に
ウェル・バンランスとなっており、聴いていても心地良いです。
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まだ若い頃の哲学人の感性が息付く |
ショパンコンクールでの優勝により世界にデビューして以来、10年間籠ってショパン以外のレパートリー創りに励んだポッリーニの賢い選択を参考にするが如く、プロモーター陣に踊らされることもなく、じっくりとマイペースでアラユル作曲家作品に挑戦し続けてきたツイメルマン。情熱的で意欲的な若い時代の彼が世紀の巨匠バーンスタインへの尊敬の心いっぱいに大曲に挑んでいる空気が臨場感を持って伝わって来、聴く者までも元気もらえる仕上がりとなっている。近年も、彼は演奏会などでブラームスの内面的作品を積極的に取り上げているが、人生が熟して来たせいか、瑞々しい意気込みというよりも、悟りを開いた哲学人の如き空気を感じる。どちらも興味深く魅力的な世界ではあるが、音楽を聴くことにより心の元気・勇気をもらいたいリスナーには、こちらのアルバムでの彼のブラームスが断然オススメであろう。この瞬間の、この時代の彼にしか弾けない音が、ググっと迫ってくる貴重な録音だ。

