歴史上のクラシック音楽作曲家について紹介・評論します。

ライヴ・イン・ジャパン2000

ライヴ・イン・ジャパン2000 人気ランキング : 4,380位
定価 : ¥ 6,090
販売元 : BMGファンハウス
発売日 : 2001-06-06
発送可能時期 : 通常2〜3日以内に発送
価格 : ¥ 6,090
2大東京ライブ

 ライブ録画や録音ははずいぶんいろいろ見たり聴いたりしましたが、ヴァントのこのライブと、奇跡的に発見されたセルの東京ライブほど心打たれるものはありません。特にこのライブは、指揮に入ったとたん、それまで歩くのもやっとだった彼が、凛とする姿と、敬虔な演奏に心打たれます。未完成は、出だしから涙が止まりません。演奏がすべて終わった後、しばらく続く会場の静寂に、観客の感動がどんなものだったか見ているものに伝わってきます。亡くなったヴァントが私たち日本人に残してくれたプレゼントだと思って一生大切にします。

一期一会の極み

実は最初で最後のヴァントのコンサートがこの10年前、1990年であった。社会人1年目、名古屋市民会館であった。
この時は、ブルックナーの8番であったが、ちょうど北ドイツ放送響とのブルックナー全集の再録に入っていた時、そして、日本でのヴァントの人気が高まってきた時にあたる。
この時の本番前に印象深いことを覚えている。ハープ奏者が2人、第2楽章のスケルツオのきれいなソロの部分。これがいまのCDプレイヤーの選択に影響を与えた、いかにはっきりきれいに再生できるかを求めていた時の選考基準。
演奏は生で聴ける大音響と無骨さというかストレートに訴えてくるヴァントの音楽。これはこの2000年のライブで昇華されてより深く、極みに枯れすぎずに究極の結実を見せています。生の息づかいとは映像を通してとは違うけれども、DVDにはマルチアングルによってコンサートを聴くようにヴァントの後ろ姿を楽しむこともできますが、是非とも観て欲しいのは、ヴァントの指揮姿から音楽を読むというのだろうか、意図を感じ取っていく謎解きとも言える鑑賞法。ヴァントとブルックナーに浸っていくひととき、最後は大空の中に消えていくように終曲には何とも言えない、虚無とも違う爽やかさが残ります。
手兵だった北ドイツ放送響のライブでの緊張感とヴァントの白鳥の歌をお楽しみください。
また、シューベルトの未完成も逸品。甘すぎず、ただ一心に描いていくヴァントの究極美。

記念すべき日本公演の記録

 日本では聴くことはできないであろうと思われていたギュンター・ヴァントの2000年11月の来日公演の録音。  年令を感じさせない緊張感と迫力、極めて集中力の高かった聴衆と誰もが納得する演奏会であった。聴いて後悔はしないと確信している。

『歴史上の作曲家−クラシック音楽評論』はアマゾンのwebサービスによって実現されています。
Copyright 2005 歴史上の作曲家−クラシック音楽評論 All rights reserved.